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陽が暮れて来た。
いよいよ、出陣だ。
今回の捕り物に向かう幹部たちの表情は嬉々としていた。
そんな幹部たちの表情に、少し勇気づけられたか、隊士達の士気も上がっていた。
綺那は、山崎と共に、屋根の上に登りながら、その様子を見ていた。
「うわぁ、皆嬉々としとるなぁ...人切り集団なんて言われてもしゃあないやん。」
ははは。と軽く笑いながら見下ろす山崎。
『...山崎さんは、余裕そうですね。』
そんな山崎を横目で見ながら言う綺那。
「当たり前やん、僕はこんなとこで負けへんもん。僕より強い忍びなんて、そうそう居るもんやないもん。」
堂々と言い切る山崎。
実際、大口をたたいている訳ではないので、綺那はそれもそうですね。と頷くしかできなかった。
そうこうしている内に、隊が二つに分かれて、出陣したのだった。
山崎と綺那も、二手に分かれて、隊の最後尾を走るのだった。
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