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「おい、山崎!」
土方一人だけがいる部屋に、土方の声だけが響いた。
はたから見れば、ついに壊れたか...。と思うような光景である。
しかし、土方の声がしてから数秒も経たぬうちに、天井から、黒装束の男が現れた。
この男こそ、新選組の天才監察、山崎烝である。
「はいはいー、どないしはったん?土方はん。」
顔を覆っていた布をずらせば、その場にそぐわぬ明るい声で聞く。
「お前と綺那に話があるから、綺那を呼んで来い!」
山崎の明るい声に呆れながらも、伝える。
「自分で行けばええのに、しゃあないなぁ、呼んできますわー。」
音を出さずに、土方の部屋をでる山崎。
土方は人知れず大きなため息をついた。
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