綺那と烝と潜入捜査!

7/13
前へ
/133ページ
次へ
「ごめんください。」 店の中に入り、声を書開ける綺那。 「はいはい、あぁあんさんが新選組の子なん?...えらい別嬪さんやなぁ。ほな入りぃ。早速化粧せな。」 気前のよさそうな女将がそう言えば、綺那は頷いて、店の奥へ入る。 「あ、あんさんの名前は何て言うん?..あんさんの此処での源氏名決めなあかんし。」 首を傾げながら綺那を見る女将。 「あ、沖田綺那です。よろしくお願いします。」 緊張した面持ちで自分の名前を言う綺那。 「ーッ!!可愛ええわぁ!!...綺那ちゃんやな。うちはお凛や。よろしゅうな。」 思わず綺那をギュッと抱きしめるお凛。しかし、すぐ離せば、腕をくんで、少し考える。 「決めた!綺那ちゃんの源氏名は綺芽(アヤメ)太夫や。」 「え?私なんかが、太夫何て名乗ってもいいんですか?」 「当たり前やない。..ほな、早速着替えて、お化粧するで。」 「は、はい。」 太夫という、一番上の位をもらい、戸惑いながらも、お凛に押されて、着替えと化粧を奥の部屋でやって貰う綺那。 暫くして、奥から出てきた綺那は、どこから見ても、立派な遊女になっていた。 「綺那ちゃん完璧や!..じゃあ、綺那ちゃんは今から綺芽太夫や。しっかりやってき。」 「へぇ、わかりました。」 遊女になりきり、京弁で答える綺那。 その後、すぐに座敷に呼ばれ、座敷に向かうのであった。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

493人が本棚に入れています
本棚に追加