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「ごめんください。」
店の中に入り、声を書開ける綺那。
「はいはい、あぁあんさんが新選組の子なん?...えらい別嬪さんやなぁ。ほな入りぃ。早速化粧せな。」
気前のよさそうな女将がそう言えば、綺那は頷いて、店の奥へ入る。
「あ、あんさんの名前は何て言うん?..あんさんの此処での源氏名決めなあかんし。」
首を傾げながら綺那を見る女将。
「あ、沖田綺那です。よろしくお願いします。」
緊張した面持ちで自分の名前を言う綺那。
「ーッ!!可愛ええわぁ!!...綺那ちゃんやな。うちはお凛や。よろしゅうな。」
思わず綺那をギュッと抱きしめるお凛。しかし、すぐ離せば、腕をくんで、少し考える。
「決めた!綺那ちゃんの源氏名は綺芽(アヤメ)太夫や。」
「え?私なんかが、太夫何て名乗ってもいいんですか?」
「当たり前やない。..ほな、早速着替えて、お化粧するで。」
「は、はい。」
太夫という、一番上の位をもらい、戸惑いながらも、お凛に押されて、着替えと化粧を奥の部屋でやって貰う綺那。
暫くして、奥から出てきた綺那は、どこから見ても、立派な遊女になっていた。
「綺那ちゃん完璧や!..じゃあ、綺那ちゃんは今から綺芽太夫や。しっかりやってき。」
「へぇ、わかりました。」
遊女になりきり、京弁で答える綺那。
その後、すぐに座敷に呼ばれ、座敷に向かうのであった。
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