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『高杉様に吉田様どすな。』
ニッコリと微笑み、高杉と吉田に酌を始める綺那。
二刻程すれば、二人ともほろ酔い状態になってきた。
「綺芽はイイ女だな。」
高杉のお触りは、時間を追うごとに激しくなっていく。
それに微笑を浮かべながら耐える綺那。
『お二人は普段何してはるん?』
そろそろ酔いも手伝い、饒舌になるだろうと思い、綺那は二人に聞く。
「俺たちは、幕府を潰すんだ
。俺たちは、幕府に大事な人を奪われたし、今の幕府じゃ、異国に手も足も出ねぇ。」
決意に満ちた目で、酔っているためにほんのりと赤くなった顔で綺那を見て、手を握りながら言う高杉。
『..そうどすか。』
「手を離しなよ、バカ作。..これ以上はまだ言わないよ。」
妖艶に笑いながら高杉の襟を掴んで綺那から高杉を剥す吉田。
『ほんなら、また会いに来てくれはりますか?』
「...そうだね。良いよ、気に入ったからまた来てあげる。」
金を払えば、高杉の首根っこを掴みながら遊郭を後にする吉田。
綺那は二人が帰れば、早速着替えて屯所に向かった。
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