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遊郭に戻った綺那は、太夫 綺芽として、座敷に出ていた。
座敷に出てから数刻後、綺那に指名が入った。
綺那は指名の入った座敷に向かい、襖をそっと開けて、三つ指を立てて挨拶をする。
「おう、綺芽。来てやったぜ。」
そこにいたのは、高杉晋作、一人だけだった。
『あ、高杉はん来てくれはったんどすなぁ、おおきに。今日はお一人なんどすか?』
綺那は満面の笑みを浮かべてさも嬉しいかのように(まぁ、新選組の利益としては嬉しいのだが)高杉に話しかける。
「あぁ、今日は一人だぜ。あいつらは用事でな、俺しか暇じゃなかったんだ。」
..高杉って暇なのかなぁ。と内心思う綺那。
『..そうどすか、残念やけど、高杉はんだけでも来てくれはったから、嬉しいどす。』
「そうか、じゃあ綺芽。今日は二人で楽しもうぜ。」
妖艶とも言える笑みを浮かべながら、綺那の腰に手を回しながら言う高杉。
『..へぇ、今日はよろしゅうおたの申します。』
微笑しながら答える綺那。
こうして、綺那と高杉の座敷は始まった。
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