綺那と高杉と遊郭。

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「土方副長、いらっしゃいますか?」 襖の前にいるのは斉藤だった。 『さ、斉藤さん!!助けてください!!』 綺那はもがきながら斉藤に助けを求める。 「ん?..その声は綺那か。..失礼します。」 綺那の声を聴き、急いで中に入る斉藤。 そこで斉藤が見たのは、綺那を抱きしめている土方と、そこから必死に逃げ出そうとしていたのか、着物が乱れている綺那だった。 「..待っていろ、今助ける」 斉藤はそう言うと、土方の腕を綺那から外そうとする。 が、土方の腕は一向に離れない。 「どうしたものか...。」 斉藤が考え込んでいると、襖の前に、また誰かが来た。 「土方さーん、朝餉の時間なんだけど、起きてるか―?」 「ん?..その声は左之さんか?」 「おぉ、一か。なんでお前がここに居るんだ?」 「そんなことより、左之さん、ちょっと中に来てもらえぬか?」 「お、おぅ。」 左之は斉藤に促されて中に入った。
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