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『そんなどうでも良いことより、報告です、変態副長。』
「おう...ってか何で俺が変態なんだ!」
『...死ねばいい。...気にしないでください、事実を言っただけです。』
ボソッと毒を吐けば、満面の笑みで答えて、報告を始める綺那。
「じゃあ、吉田達はどこかで会合を行うんだな?」
『高杉がそう言ってました。』
頷く綺那。その表情はどこか険しかった。
「どうかしたのか?」
『いえ...ただ、高杉も日の本のことを真剣に考えてたんだな..と思っただけです。』
高杉の言葉に少なからず共感してしまった綺那。
正直、新選組のことを考えれば、共感してはいけないので、戸惑っていたのだ。
「...そうか。...もういいぞ、下がれ。」
『..はい、失礼しました。』
静かに部屋を出ていく綺那。
「..日の本のことを考えていた...か。」
1人残った土方は、綺那の言葉を思い出し、呟いた。
前髪を書き上げて笑った表情は、苦々しかった。
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