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「お、左之じゃねぇか。いやな、綺那と平助がそりゃあ仲睦まじく甘味屋に行ったんだよ。」
ははっ。と笑いながら言う永倉。
それを聞いた原田は面白くない。
自分だって綺那に好意があるのだ。いくら藤堂が弟分でも譲れるものと譲れないものがある。
「へぇ、綺那と平助がなぁ。」
「ま、恋仲じゃねぇだろうがな。あの様子じゃ綺那も友達くらいにしか思ってねぇだろうよ。」
そんな原田の心中を察してか、そんなことを言う永倉。
「そうかよ。新ぱっつぁんは良いよなぁ、綺那に惚れてるわけじゃねぇから。」
「なんだよ、えらく余裕がねぇな、左之らしくねぇぜ。」
「それもそうか。俺は俺のやり方で綺那を振り向かせりゃいいか。」
にやりと笑って言う左之。
不気味なことこの上ない。
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