総司と平助と甘味屋と。

4/8

493人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ
「お、左之じゃねぇか。いやな、綺那と平助がそりゃあ仲睦まじく甘味屋に行ったんだよ。」 ははっ。と笑いながら言う永倉。 それを聞いた原田は面白くない。 自分だって綺那に好意があるのだ。いくら藤堂が弟分でも譲れるものと譲れないものがある。 「へぇ、綺那と平助がなぁ。」 「ま、恋仲じゃねぇだろうがな。あの様子じゃ綺那も友達くらいにしか思ってねぇだろうよ。」 そんな原田の心中を察してか、そんなことを言う永倉。 「そうかよ。新ぱっつぁんは良いよなぁ、綺那に惚れてるわけじゃねぇから。」 「なんだよ、えらく余裕がねぇな、左之らしくねぇぜ。」 「それもそうか。俺は俺のやり方で綺那を振り向かせりゃいいか。」 にやりと笑って言う左之。 不気味なことこの上ない。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

493人が本棚に入れています
本棚に追加