綺那の意志と吉田の想い

4/10
前へ
/133ページ
次へ
池田屋に向かった近藤、沖田兄妹、平助、新八一行は、四半刻ほどで、池田屋に到着した。 近藤が先陣を切って、池田屋の中に入る。 「新選組だ、御用改めである!」 近藤が店の中で叫ぶと、店の主人が店の奥に向かって言った。 「新選組です!!」 綺那は、急いで伝言用の鴉を呼び、[池田屋]と書かれた髪を持たせて、山崎たちの方へ向かわせれば、店の主人を気絶させ、縛り上げた。 すると、店の中からぞろぞろと浪士が現れ、切りかかってくる。 浪士を切り捨てながら、近藤は言った。 「1階は永倉君と藤堂君に任せた。 総司は私と一緒に2階に行くぞ。」 「「「はい!」」」 新八と平助は近藤と総司のために道を作る。 いつの間にか屋根裏にいた綺那もそれに加勢して、苦無を飛ばした。 そして、近藤と総司、綺那は2階へ向かったのだった。 2階に着いた近藤は、再び声を上げた。 「総司、奥の部屋に向かってくれ!...ここは私が引き受けた。」 近藤を一瞥するも、頷いて、奥の部屋へと、総司は足を進めた。 綺那は、総司を追いかけてくる浪士を苦無で仕留めながら、総司を追って、奥の部屋に向かったのだった。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

493人が本棚に入れています
本棚に追加