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一方、綺那からの文を受け取った山崎は、土方の下に行った。
「土方はん、四国屋やありまへん、池田屋や。」
「んだと?...まずいな...こっちに人数を増やしちまった。
お前ら、本命は池田屋だ!!急いで援護に行くぞ!!」
隊士達にそう言えば、急ぎ足で池田屋へと向かった。
「何だよ、綺那が持ってきた情報はあってたんじゃねぇか。」
「....そうだな。」
土方の後ろで、急ぎ足になりながらも左之と斉藤が呟いた。
「聞こえてるぞ、左之、斉藤!!」
イライラしながら言う土方。
左之も斉藤も、そんな土方から顔を背けたのだった。
「....無事でいてくれよ...近藤さん、総司、新八、平助、綺那。」
走りながら、土方は誰にも聞こえないくらい小さな声で、そう願ったのだった。
ただ一人聞こえていた山崎は、
「土方はんは、ほんまに素直やあらへんなぁ。」
クスリと笑って屋根の上を飛び移って池田屋に向かっていた。
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