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夕暮れ前のまだ明るい空、
ふと見上げると天が2つに割れていた。
いや、雲が大きく2つに別れていただけ…。
沈み始める光の雲と、今から空を覆う闇の雲…。
その間はまるで巨大な渓谷かのように深く、そしてその日、2つの雲は交わることはなかった。
「兄ちゃんッ?」
自分を呼ぶ声に気付き、やっと我に返る。
手に握られた重量の大きな銃、視界に映る黒いスーツを着た者達…。
ああ、まだ始まったばかりだったな…
置かれた立場を自覚した瞬間に、彼は目の前に現れた異形の生き物に重量の銃を向け、引き金を何回か引いた。
闘いは始まったばかりだ。
猛者だからこそ知る真実、
終わらない狂気の世界、
誰が死のうと目を離すな、
自分を守れるのは自分だけ、
死にたくなかったら、
――強くなれ――
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