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涼風は生徒会長についていき、焼却炉に着いた。何の話をするのかわからないが、こちらには聞きたいことがたくさんあった。
「なあ、聞きたいことがあるんだけど…」
「あたしに答えられる範囲でなら答えるわ」
「今の生徒の中で脳に障害があって、たまに記憶が飛ぶ奴っているか?」
この質問に生徒会長は早速首を傾げた。首を傾げられて困るのはこちらなのだが、聞き方がまどろっこしかったようだ。
「ああ、悪い。俺がそんな奴なんじゃないかって思っただけだ。俺、この学校のことも生徒のことも教師のこともまるでわからないんだ」
いきなりこんなこと言われて、いくら生徒会長とはいえ驚いているだろう。だがまだ生徒会長は話を聞いてくれるようだった。
「俺、こことは違う学校で生活してた気がする。そこにはムカつく奴もいたけど、親友って呼べる奴もいた気がするんだ。…悪い。いきなりこんな訳わからないこと話されても、あんただって困るよな」
「それは正しいわ」
予想外の返答に涼風は思わず目を丸くしてしまった。てっきり病院に行けと言われると思っていたのだ。
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