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……痛い…
…頭が割れそうだ…
ぼやけた視界が徐々に鮮明になってくる。見慣れた天井…。おそらくここはバラムガーデンの保健室。
---消毒液か?
薬品の匂いがする…
どうしてこんなに頭が痛いんだ…?
俺は横になったまま手の平を額に当てた。
少し触っただけなのに電気が走ったように激痛がする…
----そうだ。
昨日の夜、
あいつ…サイファーと…
目を閉じれば思い出す。
月の光に照らされた青白い地面。そこに飛び散った自分の赤い血………
それから俺はどうなったんだ? 全く覚えてない…。
「目、覚めたかい?」
突然個室のカーテンが開き、保健医のカドワキ先生が顔を覗かせた。
カドワキ「あんたの名前は?」
「…スコール… スコール・レオンハート」
カドワキ「うん、記憶も口調もしっかりしてるね。
しばらくはその包帯は外せないよ。」
……包帯…?
俺は今更頭に包帯が巻かれていたことに気付く。
カドワキ「…全く馬鹿だね。
あんたたち二人とも同じような傷を作って…… 少し傷が残るかもしれないけど…」
---二人?
そうか、あの後俺はサイファーに……
スコール「…あいつは…?」
カドワキ「さあね。
止血しようとしたら『俺様に触るな!』って暴れ出して…
ついさっき風神・雷神が連れてったところ。」
風神・雷神…
いつも一緒にいる取り巻きのことか。
カドワキ「今から担当の教官を呼ぶから。確かキスティスだったわね…」
呼ばないでくれ……
とは言えない。
出来れば今すぐここから出て行きたいが、出来るはずもなく…俺はゆっくりと体を起こし、俯いていた。
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