第一部【出会い】

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第一部【出会い】

焦った。何て事だ。今日みたいな重要な日に目覚ましが鳴らないなんて。俺は電池の切れた目覚ましをコン!と叩いて悪態をついていた。昨日までは調子よく鳴っていたのに。慌てて昨夜のうちに準備していた服を着て、足早に家を出た。今日は大切な日。そう、知り合ったばかりの大切な恋人となる、幸三と初めてのデートの約束をしていた日なのだった。急いで走るが、それ程足が早い訳でも無い。それどころか、お腹の周りに付いた余分な肉が、プヨプヨと揺れてしまい、汗もとめどなくあふれるばかりだった。
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