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「…ふう、」
ね、裕翔くん
今日も空が青いよ
今日も、風が気持ち良いよ
今日も、メンバーはみんな元気だよ
…五年経った今も
僕の気持ちは、変わらないよ…
「…、あ」
ぽつぽつと頬をを伝う雫
「…最悪、傘ないよーっ」
いきなり降りつける雨に焦ってタオルを探して鞄をあさぐ
「…あれ?」
いきなり自分にだけ雨があたらなくなって顔を上げると
小さな男の子が傘を僕にかざしてて
「…、泣いてるのかと思った!」
ニコッと笑う小さな男の子が
どことなく裕翔くんに似てて…ー
「僕ね!お兄ちゃんに憧れてるんだ!」
「…?」
「絶対ジャニーズになるの!」
「ゆうー?」
遠くから聞こえる優しそうな女の子人の声
「じゃあね!お兄さん!
…またね!
お母さん待ってー!」
傘を持たされた僕はただ、
小さな君の背中を見つめることしか出来なかった。
end
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