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入学して三日目 朝からニュースで降水確率は70%ですって聞いてた癖に 入りたてでいろいろいっぱいいっぱいになってた僕は傘を忘れた 「…どーしよ…」 一年の靴箱から外を見つめたら 向こう側から、一人男の子が歩いてきてた 「…、」 まあ、そんなの気に止めてなかったんだけど その人は明らかに僕に近づいてた 「…おい」 「ひ、ひゃい!」 いきなり話しかけられて目を会わせるとびっくりするくらいの美形。 いきなり過ぎて変な返事までしちゃって 「…お前、傘ねーのか?」 「あ…、はい」 その人良く見るとネクタイに入る斜線は二本で二年生だと気付いた 「使えよ、」 ビニール傘をほとんど強制的に渡されて 「い、いや、それじゃ先輩が…」 「俺もう一本置き傘あるから。平気だよ」 すこし見せてくれた笑顔があまりに優しくて 多分この時、僕は先輩に恋をした …それから、ありがとうとお礼をいうと先輩は校内に入って行った
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