517人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の初めては全部侑李で
手を繋ぐのも、はぐも、キスも、それ以上も
きっと脳内の90%は侑李で、
でも、裕翔くんを追い出せなかった
「知念に悪いことしちゃったな
さっきも、泣きそうだった
…ってか、泣いてた」
そんな知念を見つめる君も、瞳の奥には涙でいっぱいなのに
「最後にさ、ギュってしてよ
…終われるから、きれいに」
「…、」
「ね?、りょーすけ」
服の裾を掴んでうつむき気味に呼ぶりょーすけの言葉が
どことなく侑李に似てた
…、
「…、裕翔くん、ありがとう」
ギュッと包み込むみたいに抱き締めたら、俺なんかより身長の高い裕翔くんが、すごく、小さく見えた
「…そうゆう所が好きなんだよ、ばーか
今まで、ありがとう。」
トンと、優しく突き放されて君の顔を見れば
にっこりきれいに笑ってた
「はい、元通り
あとは勝手にしてよ」
不器用な三角関係が、ゆっくり音もたてずに
元に戻っていく
きれいに元に戻れるかは
(まだわからないけど)
end
最初のコメントを投稿しよう!