カケラ《Ⅰ》

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. ………祈るように捧げた両の手から、あたたかな《夜》が零れ落ちる。 かつて息づいたその流れから溢れ、やさしい雨に代わり、手繰(たぐ)り寄せる手を濡らしていく。 ―――伝わる仄(ほの)かな温もりを、 幻であると『自分』は知っている。 .
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