見える

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夏も近づいたある日の放課後、仲良し友達四人で教室にのこっていた。ある話で盛り上がり、話がとまらなくなったのだ。その話とは、霊が見えるという話。 友達のうちひとりが、いままでいろんな霊体験をして、それから、ごく普通に霊が見えてしまうようになったというのだ。 『あの先生には、うすい色の着物をきたおばあさんがついているよ』 ろうかを歩く先生の姿をおいながらそういうと、彼女は私たちの方にむきなおった。 『じゃあ私は?』 友達の一人が聞くと、彼女はその子の背後に目をやりながらいった。 『ヒゲの生えた細いおじいさんが…少し離れてやさしく見守ってる』 『きっとおじいちゃんだ!』 思わずめを細めて嬉しそうにしている 『私には?』 たまらず、私が聞くと彼女は答えた。 『男の人が見えるよ』 『え、本当!』 すると、彼女は震える手でわたしを指していった。 『ちょうど左肩のところ……あごをのせてるよ』
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