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数日後。
ここずっと黒マリモもに付きまとわれて行けなかった生徒会室に足を運んだ。
マリモの相手は大変だった。何をするにも大声でついて来るし。何か日に日に、マリモを護衛する奴増えるし。副会長と書記と爽やかと不良。これだけ側においてりゃ充分だろうに。何故俺にも構うのか。
会長と思って「ずっと側にいてくれ!」なんて言ってしまったのは、あの時だけで、その後はずっと否定してんのに。めんどくせぇ。
なんて思いながら生徒会室の扉を開くと会長が黙々と仕事していた。
「会長~、ごめんね。ずっと来れなくて」
「あぁ、淳也か。いや、構わない。それより、いいのか?一緒にいなくて」
会長が書類から目を上げて俺を見る。久々に見る会長にやっぱり胸が高鳴るのと同時によく分からない焦燥感。
「…どーゆぅ意味?」
「ん?だって淳也は転校生が好きなんだろ?」
そう言って不思議そうにする会長に、いつもなら可愛いって思うのに、ダメだった。凄く腹が立つ。
「そうなんだぁ。初めて俺のために怒ってくれたんだよ」
「そうか…」
あれ…俺、何思ってもないこと言ってんだ?
俺の言葉に少し寂しそうな顔を見せる会長に慌てて、否定しようとした言葉を俺は会長の言葉によって飲み込んだ。
「そうか、応援してる」
そう綺麗に笑うもんだから俺は知りたくないことを知ってしまった。
会長は俺のことなんかど~でも良いって。
だけど、知ってた。本当は。会長は、誰にでも優しいけど、皆から一線置いていること。どこかで他人を拒絶してること。
ただ、生徒会では心許してるようだったから、つけあがっちまったんだ。俺は特別なんじゃないかって。
あぁ、俺のバカ。下半身緩いって言われてるけど、俺は本当はセフレなんていない。まぁ、今は、だけど。高校になって会長を知ってから全部切ってんだ。
セフレなんて会長をからかって照れた様子を見たい嘘。あわよくば、妬いてくれねぇかな、とか思ってたけど。
マジで俺のバカ。
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