会計の思惑

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とりあえず、会長は西園寺詩音だと主張すれば、会長は大分落ち着いたらしい。 綺麗な指先はまだ密かに震えているが、体の震えはなくなった。 会長はマリモを体から離すと、役員の顔をしっかりと見て生徒会室に来いと言った。 うん、本当にごめん。会長、マジで今から行きます!と思いつつ、マリモを見ると、未だにブツブツ言っている。 「皆も騒がしくして悪かった。各自食事に戻ってくれ。授業に遅れるぞ」 そう言って食堂を出て行った会長を追いかけるべく食堂を出ようとする。 「あ、どこ行くんだよ!淳也!!」 「どこって、生徒会室だけど~」 「俺も行く!!」 「ん~一般生徒は入っちゃダ~メ」 つか、来んな。そう思い笑顔で拒絶する。 「何でだよ!俺達友達だろ!!」 「なんででも~、規則だし」 それに 俺はマリモにだけ、聞こえるように耳元に口を近づける。 「てめぇは会長を傷つけるだろうしな。もし、二度と近づいてみろ…潰すぞ」 マリモが理事長の甥だろうが関係ねぇよ、俺には。 マリモ一人潰すのは簡単だ。そう笑い、会長を追いかけた。 清々したのは言うまでもない。
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