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「会長、今まで仕事しなくて本当にごめん!!」
腰を90度に綺麗に曲げて謝ってくる淳也。
俺、こんな綺麗な謝罪初めて見た…
あまりの綺麗さに呆けていると、淳也が更に謝ってくる。
「いや、とっとりあえず顔をあげてくれ」
俺の声に顔をあげた淳也は心なしか、前より少し引き締まった顔をしている。
少し、痩せた…?
確認しようと、頬に手をあてると、淳也の顔がほのかに赤くなった。
「どっ、どうしたの?」
「いや、淳也こそ少し痩せたか?何か悩みでもあんのか?」
触ってみたら、やはり少し痩せていて、いや、それでも格好いい顔に変わりはないのだが、何だろう、前より男らしい。
「あ、ん~と、ちょっとマリモがね…ひっついてきて、間食出来なくて」
「マリモ…?ひっつく?マリモって水の外でも飼えるのか?」
「あ~、そうじゃないけど、そういうことで」
よく分からない淳也の返事に吹き出す。
やっぱり、いいな。一人じゃないって落ち着く。
「も~、会長笑いすぎ!!」
「悪い、悪い」
「ねぇ、会長、本当ごめん。今までずっと一人で仕事させて」
急に淳也が真剣な目に戻るから驚いた。いつもの口調なのに、伸ばしてないだけで、何か雰囲気が違う。
「仕事は、これから、してくれればいい。反省してんだろ?」
俺の言葉に頷く淳也。淳也の素直さ、好きなんだよな、俺。
そう思うと、手が勝手に淳也の頭をわしゃわしゃと撫でてしまう。
「ねぇ、会長仕事するね」
「あ?おぅ。じゃぁ、俺も、やるか」
「ダーメ。会長は休んでて」
「いや、だが…」
「会長は充分働いたんだから、休んでて。俺頑張るから」
そういって淳也は俺の背中を生徒会室にある仮眠室まで押してくる。
「じゃぁ、お言葉に甘えて、休ませてもらう」
その言葉に本当に嬉しそうな顔をする淳也に首を傾げた。
俺、そんな酷い顔してんのか?
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