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手を引っ張って前を歩く人を見る。
あ、この人って、さっき声かけてきた人だ。
ちらっと後ろを振り返った時見た服、というか制服と同じ。
この人、学生?
そんな事より、何で・・・?
「あ、あの・・・」
何も喋らずにスタスタとホームから出たので、声をかけてみた。
「あ、あぁ、ごめん。あまりにも気分悪そうだったからつい・・・」
あぁ、そういう事か。
確かに今でも気分は悪いけど、だからって・・・。
「大丈夫です」
次の電車に乗れば、まだ試験には間に合うはず。
余裕持って出てきたから。
僕は「ご心配おかけしてすみません。急いでいるんで」と手を引っ張ってきた男の人に言い、ホームに戻ろうとした。
だけど、
「行かせるわけいかないよ。心配だし」
と言われ、また手を引っ張られる。
「大丈夫ですから、離して下さい!!」
あまりにもしつこいから思わず、大きい声を出した。
うっ。
大きい声を出し過ぎて、更に気分が悪くなった。
「大丈夫!?」
心配して、声をかけてくれる。
だけど、あまりの気分の悪さに意識が遠退く。
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