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「ここまで疲れただろ?逃げたりはしないから安心して眠るといいよ。」
「…山南さん…どうして脱走なんか…。」
「…。」
「応えてください!!」
私はつい声をあらげる。
山南さんは一瞬驚いた顔をするもすぐに笑みをとりもどす。
「それは訳があっていえないんだ。簡単に言うなれば、私がこのまま新選組にいると色々な人に迷惑をかけてしまうんだ。すまない…だが覚悟はできているよ。」
「迷惑だなんて…それにそんな覚悟いらないですよ!お願いだからこのまま何処か遠くへ…。」
「残念だがそれもできない…。もう決めたことなんだ。」
山南さんは夕焼けに染まってきた空を見つめ出す。
「…私は新選組の皆が好きだ。だから私が生きていることで…私が新選組にいることで新選組が危機に晒されるというならば…。」
山南さんは空から目線を外すと私の方を向く。
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