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あれから早くも半刻が過ぎた…。
残るあと一時間程で山南さんは死んでしまう…。
永倉さんは泣き止むまで側にいてくれたが、ついさっき用事があると何処かへ出掛けてしまった。
沖田さんに関してはあれから一度も見かけていない。
「…沖田さんどこ行っちゃったんだろ…。」
山南さんの介錯は沖田さんがすると行っていたのだから時が来れば帰ってくるとは思うが…。
なんとなく屯所内をふらついてから前川邸の門前に行くと、八木さんちの息子の為三郎くんがかっしを見つめて立っていた。
おそらく山南さんが切腹するという事実を彼も知っているのだろう。
そんな為三郎くんを見ていてふと気になった。
明里さんは知っているのだろうか…?
もしも知らないとしたら急いで知らせにいかなくちゃ!!
そう思い走り出そうとしたが、前方から聞こえる音に耳をすませる。
少しして見えてきたのは馬に乗る明里さんと永倉さんだった。
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