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副長の部屋に行く途中、タイミングよく廊下をあるく山南さんに出くわした。
「あ!山南さん…。」
「やぁ歩来くん。そんなに血相を変えてどうしたんだい?」
「それはその…。」
なんだか気まずくて思わず俯く。
「もしかして新しい編成のことかい?」
「…だって…伊東組長が参謀で山南さんが総長だなんて納得いかなくて…。」
「伊東くんは知識も豊富だし間違いはないと思うよ。私も最近は隊務につくことが少なかったのだし…総長の位をくれただけでも充分ありがたいことだよ。」
山南さんはいつものように微笑んで語る。
「でも伊東組長は…「歩来さん!貴女はこれから巡察でしょう!?早く来なさい!」
後を追ってきた沖田さんは、わたしの肩を掴むと山南さんにかるく頭を下げる。
「おはようございます山南さん。体調は大丈夫ですか?」
「おはよう総司。このとうり元気だよ。」
「よかった。じゃあ私達はこれから巡察なんで。」
「沖田さ…「ほら、早くしないと三番隊の方たちにも迷惑をかけるでしょう。」
沖田さんはわたしの腕をひっぱって門まで連れて行く。
その様子を山南さんはただ笑顔で見送ってくれた。
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