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「あ、そういえば聞きましたか？」
「何をです？」
突然何かを思い出したように聞いてくる沖田さんにわたしは聞く。
「そろそろ屯所が移転するみたいですよ。」
「えぇっ！？何処にですか？」
「西本願寺はわかるでしょう？あそこにするみたいです。」
「お西さんに！？だって彼処はお寺ですよ？」
浄土真宗本願寺派本山
龍谷山本願寺
通称西本願寺。
皆にお西さんとして親しまれているこのお寺は七条通にあって島原なんかが近い。
大きさはかなり広く、どれくらいかというと兎に角かなりでかいとしか言いようがない。
ちなみに東本願寺というのもあって西本願寺と呼ばれるのはこの二つを区別するためである。
「仮にも殺生をするわたし達がそんなとこ…あまりにも不謹慎ですよ。」
「ですがあそこは長州や過激な攘夷浪士達をかくまったりしてますからね。何しろお坊さん方も根っからの勤皇派の僧侶ですから。隊士の数も増えて屯所は手狭ですし。あそこなら広いですし町から外れた壬生と比べても便利もいいのに加えて、長州の人達を黙らせるのにもうってつけですからね。」
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