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あれからわたしは沖田さんに遊びに誘われたけど遊ぶ気にもなれなかった。
山南さんは伊東さんといったい何を話していたのか…。
あの山南さんがあれほどまでに怒るほどなのだからきっとよっぽどだったのだろう。
山南さんはまた体調が悪いからと部屋に引きこもってしまった。
先程の夕食にも顔を見せにはこなかった…。
「あ・ゆ・ら・さん!どうしたんですか?巡察から帰ってきてからというものの元気がないですね?」
一人でぼーっと考えていると沖田さんが背中をかるく押してきた。
「沖田さん…山南さんは本当に大丈夫なんでしょうか…?」
「まだ言ってるんですか?なってしまったものは仕方がないじゃないですか。それに総長だって大事な役目ですよ?」
「そうじゃなくて…。」
「…あぁ、夕食に顔を出さなかったことですか?たしかに今朝は良さそうだったのに急にどうしたんでしょうね?心配しちゃいますね。」
そういう沖田さんの方を見るが本当かよと言いたくなるほどに冷静で笑顔が絶えない。
「…どうして沖田さんはいつもそんなに冷静でいられるんですか?普通心配してたらそんなふうに笑ってなんかいられないですよ…。」
「うーん…でも私も昔は凄い泣き虫だったんですよ?それこそ歩来さんなんかよりずっとね。」
わたしは笑顔でいう沖田さんを驚いて見つめる。
そりゃ男の人なんだから滅多に泣くことなんてないと思うけど、この毎日ニコニコしてる沖田さんが?
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