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三成より、清正、正則の方が、太閤秀吉に長く仕えている。
三成の知らない、秀吉の貧しい時代を、清正、正則は知っている。
秀吉の妻、高台院は、二人にとっては、貧しい時代、肩寄せ合って堪え忍んだ、実の母以上の存在だった。
その高台院が暗殺されるとなれば、それはすぐさま兵も集める。
集めるが、何となく納得出来ない。
篝火に厳つい顔を照らし、清正は独り言の様に呟く。
「あの三成がなあ」
「あの三成だからこそだぜ。
兄貴」
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