これから狸退治です。

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甲斐守。その父は、太閤秀吉の右手であり、軍師黒田官兵衛の子。 上目使いに清正を見て、ボソボソと話しかける。 「清正殿。間もなく、間もなく三成も出てくると思います」 そう言う甲斐守の額を、大量の汗が吹き出している。 「本当なのか?我は、迷う。 本当に三成を殺すのが、豊臣の為になるのか?」 甲斐守、額の汗を拭って清正に早口で言葉を並べる。 「本当です。私、聞いたんです。 三成のヤツ、秀頼様をお生みになった側室、淀殿を正室にする為、清正殿や正則殿の恩のある、現、正室、高台院様の暗殺を企んでいるのです」
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