敵と味方

15/15
12211人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
「ええ~!」 今度は私の声が部屋中に響いた… 「えっ?いつから知ってたんですか?」 「いや、確信したのはさっきだけど…初めから二人の間にある空気が何か変だと思ってたかな。ご近所とはいえ、やけに親しげだし…しかもあの先輩がね。 それに、優凪ちゃんが倒れた時の先輩、素になって焦ってたから…そうじゃないかな?とは思ってた。」 そんなに前から? その頃はまだお互いの気持ちも確認し合えてなかったのに? 「俺は隠すつもりはないんだけどな…優凪が気にするから。」 「分かってる。私たち夫婦で止めておくから。 優凪ちゃん、私達は応援するから、何かあったら頼ってね。」 「…はい。ありがとうございます。」 環さんの言葉は今の私にはとても心強かった… バレちゃったけど、良かったかもしれない。 「環…お前は探偵か…」 何も聞かされていなかった水谷さんが、至って真面目に呟いた一言に、三人で声を出して笑った。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!