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「失礼いたします。」
「ああ、波澄君。
紹介するよ。
一課の課長の片桐仁君だ。君の直属の上司になるから、基本的には片桐君の指示に従うように頼むよ。」
「はい!」
はじめて課長の顔を正面からみた。
「あっ」
「ん?どうかしました?」
あいつだ。
女には困ってないあいつ。
一度みただけだが、間違いない!
うわぁ…上司か…
でも向こうは気づいてない??
「波澄優凪です。
至らない点もあるかと思いますが、よろしくお願いします。」
「波澄さん。
慣れるまで大変だろうけど、私もフォローしますので頑張ってくださいね。」
べ、別人だ。
髪の毛も昨日あったときとは違い、目に掛からないように整えられている。
でも気づかれてないから好都合。
「はい、精一杯やらせていただきます!」
満面の笑みを携えて、私は部長室を後にした。
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