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ルームサービスの美味しい料理を食べて、シャンパンで乾杯。
普段の私達からは、想像もできないような雰囲気。
「…仁さん、ありがとう。」
「どういたしまして。」
私は席を立ち、鞄から包みを取り出した。
「これ、プレゼント。
大したものは買えなかったんだけど、使ってもらえたらうれしいな。」
「用意してくれたんだ。
うれしいよ。ありがとう。」
仁さんはその場で包みを開け、マフラーを首に巻いた。
「これ気持ちいいな!大事に使わせてもらうよ。」
そういうと、仁さんはポケットに手をいれた。
「優凪、これ。」
「えっ。」
「プロポーズみたいな感じになると思ってなかったから、指輪ではないんだけどさ。
これも、俺のものだって言う印だから。
優凪に似合うと思って…」
仁さんがくれたのは、細いプラチナのチェーンの先に、ピンクダイヤがあしらわれたネックレス。
「つけてやるよ。貸してみな。」
仁さんは私の後ろに回り、器用にネックレスをつけてくれた。
「…綺麗。
ありがとう、仁さん。
ずっとつけておくね。」
「ああ、ずっとつけてて貰えるようにシンプルなものにしたんだ。外すなよ?
それは優凪が迷子にならないように、首輪だからな。」
振り返れば、意地悪く笑う仁さんが居て…
「もう~私はペットじゃありません!」
二人で目を合わせて笑い合った。
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