仁side⑩

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昨日帰宅すると、家の中から甘い匂いが漂ってきた。 きっと、ずっと家にいる本人は気づかないんだろうな… 明日だもんな。 まだもらってもいないのに頬が緩む。 「ただいま。」 平静を装ってうちの中に声をかけた。 「おかえり~」 明るい声が聞こえる。 しばらく落ち込んだ様子だった優凪にも笑顔が戻って安心した。 一人歩きした噂に優凪が悩んでいるのは分かっていたのに、俺は何も出来なかった… 環のおかげだな。
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