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「…ははっ」
しばらく立ち尽くした後、掠れた笑いが漏れた。
(恥ずかしい…
でも!確かに勘違いした私も悪いけど、わざわざ言わなくても無視してくれればいいじゃない!しかも色気って…)
はずかしいやら悔しいやら、複雑な心境で帰宅した。
…でも、
「顔だけは良かったな…」
男は、優凪が思わずそう呟いてしまう程の整った顔の持ち主だった。
鼻筋は通り、大きすぎないくっきりと切れ長な目。
シャープな輪郭にうすい唇。
染めているわけではなさそうな自然な茶髪が少し目にかかっていた。
「クスッ、本当に女には困ってなさそうね。」
同じマンションであればまた会うこともあるだろう…
でも、なるべくであれば顔を合わせたくないものだ。
…二度と部屋着で外に出ないようにしようと心に誓った優凪だった。
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