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何故だ、何故俺なんだ・・・
他にもいるはずだ。
もっと優れた奴が
もっと根性のある奴が
なのにどうして俺なんだ!!
視界はほとんど無く真っ暗闇の中、目の前に一人の少女がぼんやりと見える。
得体の知れない腐敗臭と、誰か知らない者の青白い"顔"。あれはこの世の物なんかじゃない。
そして頭の中で螺旋を画くように浸入してくる映像。
辺りに鳴り響くギリギリという不気味な音を掻き消すように俺は叫んだ。
「違う!!やっぱり違ったんだぁぁぁ!!!」
目の前にぼんやりと見える少女は、左手に大玉の数珠を持ち、右手を手刀の形ににしながら"顔"に向かって懸命に口を動かし何か言っているようだ。
何か圧力のような気持ちの悪い気を全身に受けているために何を言っているのか全く解らない。
そう、全く解らない。
何が起こっているのか、俺にもさっぱりだ。
こんな事に巻き込まれてしまったのはそもそも誰のせいなんだろう。
目の前にいる少女のせいか、それともこんな恐ろしいものに自ら関わろうと思った自分の自業自得というやつなのか。
そもそもあの時、雨なんて降らなければこんな事にはならなかったんだ。
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