23人が本棚に入れています
本棚に追加
「のワッ!?」
「よっ!」
「スマン、席借りてたぜ(汗」
後ろから肩を叩いてきたのは中学校時代からの親友、東藤だった。
実は今俺が座っているこの席は東藤の席で、俺の席はというと・・・
ど真ん中の1番前というエキストラ生徒Fレベルの席である。
「溜息なんてどぉしたんだ?あ、もしかしてコレかw」
そう言いながら東藤は小指を立ててニヤニヤしている。
「ちげーよ(汗)昨日の事について色々考えてたんだよ」
「ああ、あの昨日の怪奇現象な。お前遭遇したんだってな!どうだった?」
「どうだった・・・てなんだ」
「いや、だからさ!お前も見たんだろ?ポルターガイストってやつ!」
どうやら昨日の"怪奇鉄橋事件"が噂になっているらしい。
流石に全国規模でこんな事が起こるとなると、昔のように物好き同士の噂レベルには留まらくなってしまうようだ。
俺があの電車に居合わせたのは偶然以外のなんでもないし、第一俺は幽霊とかそういう類の物が全く駄目なんだ。もうあんな事思い出したくもない。
東藤には悪いが、今は詳しい話をしない事にした。
「ああ、また今度話すわ。それよりトイレ行ってくる」
「ちょっ、待て待て!俺も行く」
(ジャァー)
俺と東藤はトイレから出て教室へ戻ろうとしていた。
ちょうどBクラスを過ぎた所で、俺の目に"見たことのある後ろ姿"がうつった。
小柄で黒いストレートのショートヘア、髪と制服の襟の間から覗く通るように白い肌。
あの時の少女だ、間違いない。
「あ・・・」
「獅度ぃ、おーい」
「・・・」
東藤によると俺はその時しばらく放心状態だったらしいのだが、詳しく覚えていない。
俺が我に帰った時には少女はまた姿を消してしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!