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放課後俺は一人、教室に残っていた。
東藤としゃべくっていたせいで帰りのバスに間に合わなかったのだ。
次に来るとすればあと1時間後・・・
これだからど田舎ってのは不便極まりない。
朝から昼にかけて結構雨が降っていたけど、夕方現在は綺麗なオレンジ色の夕焼け空が広がっている。
辺りはとても静かで、一人でいる分には少し物悲しいように感じる。
(ガラガラ)
突然、誰かが教室のドアを開けた。
誰か忘れ物でもしたのかと思い、俺は振り返る。
目の前にいたのは、
見たことの無い顔の少女だった。
小柄でショートヘアで・・・
「あ・・電車の・・・」
思わず口からこぼれた。
すると彼女は何も言わず俺の方へ近付いてくる。
(タッ・・タッ・・タッ)
全く目線を逸らさないまま、
迫ってくる。
「はじめまして」
彼女はが第一声を発した時には、キス寸前まで顔を近付けていた。
「なっ!(汗」
俺は反射的に二歩下がり、机を引きずる音が教室に響く。
そうして一呼吸奥間もなく少女は話始めた。
「"シド"君、今バイト探してない?」
いったいなんなんだ、話が唐突過ぎる。初対面の女の子がバイトの誘い・・・意味がわからん。
「ちょっとまってくれ(汗)その返答をする前に俺からいくつか質問してもいいだろうか?」
「うん」
「じゃあ一つ目の質問だけど、なんで俺の名前を知ってるんだ?」
彼女は俺の制服の胸ポケット指さした。
「生徒手帳」
「なるほど・・・それでこんなに接近したのか(汗)因みに俺は、シドじゃなくシタビなんだ」
「あ、ごめなさい。シタビ君・・・」
「いや、みんな一度は間違えてるから大丈夫wえっと、それから二つ目の質問。君は昨日の鉄橋事件の時、"現象"が起こったドアの目の前にいたかい?」
「うん、あなたも見ていたでしょ」
「え あ、ああ・・・」
あの時彼女も俺を見ていたのか。しかし何故。
あんな人ゴミの中で俺を見つけ、そしてここまできた理由。
それは恐らく"三つ目の質問"で明らかになるだろう。
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