不幸という名の序章・2

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職人が作った人形の様に整った顔つきをしていた少女は白地のタートルネックの上から同じく袖のブカブカな白の身丈ほどあるコートを着ていた。 そのコートは縁に金糸で刺繍をされていて、前をフックで留めるデザインだ。 生地そのものが高級そうな印象がある。 自分より3、4つ年下の白ずくめの少女は可愛い、よりも美しいという感じだったが彼女はピクリとも動かない。 寝ている様なその表情にはどこか温かみがあるので生きてはいる、らしいがそんなことより…… ――取り合えず、この場から少しでも離れた方が良いんじゃないですか? と、そんな事が頭を過ぎる。
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