不幸という名の序章・1

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「終いにはここで行き止まり、か。……完璧、無駄骨」 隠し通路。 そんなものがあるなら話は別だが、この遺跡はただひたすらに下へ下へと一本道が続くだけの何のために作られたか分からない造りをしているだけのようだ。 見る限り、仕掛けがあるようには思えなかった。 もっとも、侵入者撃退用のブービートラップは幾つか作動したのだが、レオンにとっては些細なことだ。 「にしても、この遺跡は何なんだ?……意味があるのか無いのか……そもそも、これは遺跡と言えるのか!?」 遺跡と言われるものには何度か入ったことがある。 そのどれもが何らかの古代技術やら、秘宝、珍しい魔物など…… ”それらしい” ものがあるものだが、ここには無い。 だが、造られたのだから何らかの意図がある筈だ。 現に”侵入者対策”が施されている。 まるで特定な者だけが、見つけられるような特殊な仕掛けがある様に思えるが……または、リアルに何も無いだけなのか。 といって、変な探究心に目覚めて、どこぞの探検家の真似をした挙句、取り返しの付かない事になるなんて、冗談じゃない。 魔術を扱う魔術師なら何か気付くかもしれないが、才のないレオンはさっぱりだが。 「まぁ、どーでも良いけど。少し休憩~っと」 レオンは壁に寄りかかる様にその場で座った。 切れ味の鈍ったロングソードを鞘におさめ、隣にかける。
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