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ラボに向かう途中、私は生存者と出会う事が出来た。
ジェシカとサムだ。
美しく、強い意志を持つジェシカと、タフで、何物にも揺らがない自信に満ちたサム。
彼らは、私のように運が良いだけで生き残ったのではなく、自分の強さで生き抜いてきたのだ。私はその強さが羨ましかった。
彼らに事情を説明し、協力を求める。
彼らも、増える一方のゾンビ相手に、打つ手を無くしていた。どうせ命を懸けるのなら、ただ逃げるよりも、少しでも状況を打破出来る可能性のある、私に賭ける事にしたようだ。
私は彼らの協力を得て、援護を受けながらラボへと急いだ。
私は一つの仮説を持っていた。
ゾンビは脳からの神経伝達を失えば、その動きが停止する。それは人間と同じだ。
違うのは、肉体の機能を維持する為の心臓の拍動が停止したまま、肉体が活動を行っているという事。
そして、私達が研究していたのは、死なない肉体を作る薬だ。
何故、生物は死ぬのか。それは、細胞が老化するからだ。
それならば、皮膚の角質が28日周期で新しいものと変わるのと同様に、細胞も定期的に新しいものに変われば良いのでは? そして、細胞が怪我や病気等で傷ついた場合も、新しい細胞に挿(す)げ替えれば、その傷は癒えるのではないか?
つまりは人間の身体に、劣化した細胞を排出し、新しいものを生成する機能を持たせるという考えだ。
その為の薬を開発しようとしていた。
今思えば、不老不死に通じるものであり、それが神の怒りに触れたのかも知れない。
狙った効果は得られなかったが、細胞が生き続ける何らかの作用があったのだろう。
しかし、それは人間としての生命活動を奪うものでもあったのだ。
だが、生命活動が停止し思考が停止していても、その他の全ての細胞が活動する為、肉体が活動するのだろう。
これが薬の効果についての私の考えだ。
そして、もう一つ考えられる事があった。
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