十二

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「私、ずーっと課長のこと待ってるから」 「…そうですか」 「だから、課長が帰ってきたら、その…」 ゴツンと頭を殴られ、え?と顔を上げる。 「鯉が見てますよ」 「え?え?」 そう笑って立ち上がり、私の腕を引っ張る。 そして私の肩を持って私の高さに合わせてキスしてくれる。 「…ど、どどどどうしました?」 その後私が頬を捻ってしまったのも無理はないと思う。 小さな四角い箱が課長の胸ポケットから出てきたからだ。
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