02---兄弟の部屋

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  絶対会おうなって兄貴と約束した。俺はそれだけを毎日楽しみにしていた。けれど、何日待っても兄貴から連絡は来なかった。 最初のうちは忙しいのだろう、などと色々理由をつけて自分を納得させていたけれど、とうとう待つことを止めた。 別々に暮らし始めてから、二ヶ月が経っていた。季節は夏に変わっていた。 「じゃあ日向、行ってきます」 「はーい、行ってらっしゃーい」 母さんは働き始めた。朝の九時に出て行って、夜の七時くらいには帰ってくる。販売員のパートだそうだ。 「あっつ……」 蝉の声がうるさい。
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