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少し大きいフローリングの一室を、俺と兄貴の二人で使っていた。二段ベッドと、勉強机とタンスが二つずつ。透き通る空のような色の壁紙。
幸せな、日々だった、けど。
「や……めろよ! このクソ親父!」
「お父さん! お父さんやめてよっ……。お兄ちゃん、どうしよう……」
俺が小学校の高学年になった頃から、父は変わった。母に暴力をふるうようになった。
兄貴が必死で止めようとしてくれていたのを覚えている。兄貴は俺より二つ年上だから、使命感があったのかもしれない。
俺はただ、うろたえて見ているしかなかった。
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