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母さんを送り出した後は、矢のように刺さりそうな黄色い光が差し込むリビングで、毎日寝ているだけ。
夕焼けに空が染まる頃に起き出し、夕食の用意をして母さんを待つ。料理は母さんが休みの日に教わっていた。
「玉子焼き、お味噌汁、アジの干物。うーん、物足りないかなぁ……」
基本的なものしか作れないが、不便はしない程度にはなっていた。
時計の針は六時四十五分を指している。もうすぐ、玄関のチャイムが鳴るだろう。
ピンポーン、とチャイムの音がした。俺はすぐにリビングから玄関に駆けていく。
「おかえり!」
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