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俺の言葉に何の反応もせず、兄貴はどかっとソファに座った。様子のおかしい兄貴に、俺は心底動揺していたことだろう。
「お兄ちゃ……?」
手招きをされたので、おずおずと近くに歩み寄る。するりと伸ばされた手に、少し体が震えた。
何故かは解らない。恐怖だったのかもしれない。
「か……っ!」
その伸ばされた手が、急に俺の首を掴んだ。細くて、いかにも脆弱な俺の首を。
兄貴の手は、たった二歳差しかないのに、俺よりも数段大きくて。
「……あ、うっ……」
少しずつ、少しずつ締め上げられていく。
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