02---兄弟の部屋

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  今、何をされているのかが全く頭の中で整理出来ない。ただ、大好きだった兄が、俺の首を締めている。 その現実を突きつけられて、俺の目尻からは流したくも無いのに涙が流れた。 「いいよなぁ? お前は名前の通りで」 さっきと同じ、表情の無い顔で俺を見た。同時に首から手を離され、せき込む。涙で視界が滲んだ。 なんで、兄貴がこんな事をするのだろう。 「お前は日の当たる場所に居られる存在で」 言っている意味が解らない。兄貴は一体、何のことを言っているんだろうか。 床に膝をつき、涙目で、じっと兄貴を見つめた。
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