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日向はがばっと勢いよく顔をあげる。ぼたぼたと涙を流していて、俺はそれが予想外過ぎて、びっくりしたと言うか、どういう風に反応すれば良いのか解らなかった。
「……何泣いてんだよ。日向、我慢しすぎ」
両手で頬を包み込んで、親指で涙をごしごしと拭いてやる。痛いよ、と小さく日向が笑った。
俺はその顔を見て、なんでか消えてしまいそうなくらい儚く感じて、気がついたら日向を抱き締めてしまっていた。
「……も、何? 太陽。気持ち悪いなぁ」
「んー……やっぱ日向、小さくなったな」
「そうだな……三キロくらい落ちた、かな」
へら、と笑って俺の腕の中に顔を埋める。少しずつ、服が湿っていくのが解った。
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