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腕の中にいるせいで、こもった声。ぎゅ、と小さな手で俺の服の裾を掴む。
「日向……って、うわ!」
勢いよく肩に手を当て、押し倒された。天井を仰いで、苦笑する。なんだ、まだまだ元気じゃん。
「え……日向さん、何? 俺襲われんの?」
「馬鹿。太陽って本当、いっつもそんなんだよな」
小さく笑って、日向は俺に跨った。泣いていたせいで目の周りが赤い。
「美味しいミルクティーのお礼に、話すよ。俺のこと」
跨った日向に、真っ直ぐに、見下ろされる。その目はとても冷たかった。
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