1人が本棚に入れています
本棚に追加
とある田舎町の山道。
仄暗い道を歩くショートカットの女子とその後ろで気配を消し、そろりそろりと前を追う男がいた。
男は急に走り出し、女子に掴み掛かる。
女子は必死の抵抗を見せ、男は大人しくさせようと思ったのか首を絞めた。
女子の顔は苦痛に歪む。
助けてと言う事も無く、彼女は息絶えた。
夜の山道に男の低い絶叫が響く。
「殺すつもりはなかったんだ」、「お前がいけないんだ」、「抵抗しなけりゃこんな事には」…………。
そんな言い訳を聞く者は居らず、まして許してくれる者も無い。
男は叫びつつ考えた。
しばらくして、そうだ、と呟き、息を荒くしながら彼女を山道の奥に担いで行った。
木の枝を折り、穴を掘り始めた男はしばらくして出来た大穴に女子を詰める。
男は土を被せ、落ち葉を撒き、逃げて行った。
そして、誰にも見つからないまま、300もの年が過ぎる――
最初のコメントを投稿しよう!